「何を相談したらいいか分からない」も相談していい。合理的配慮を受けるために

こんにちは、
ゆうメンタルクリニック医師の森しほです!

「困っていることがあれば、相談してください」


そう言われても、
「何をお願いしたらいいのか分からない」
と困ってしまう方がいます。


これは、発達障害の傾向がある方に
限ったことではありません。


困っていることを整理する。
自分の状態を言葉にする。
相手に説明する。
どんな支援が必要か考える。
相手にお願いする。



実は、「助けを求める」という行動には、
いくつもの段階があります。


特にASDなど発達特性のある方では、


「そもそも何に困っているのかを自分でも整理できない」
「こんなことをお願いしていいのか分からない」
「断られたらどうしようと考えてしまう」


といった理由から、相談そのものが
大きな負担になることがあります。


だからこそ、
「何をしてほしいかを明確にしてから相談してください」
と考えすぎなくても大丈夫です。

まずは、

「困っています」
「この場面がとてもつらいです」
「どうしたらいいか分かりません」


と伝えるだけでも十分です。


支援する側には、本人と一緒に
「何が困りごとなのか」
「どんな工夫ができるのか」
を整理していく役割があります。

学校であれば、学生相談室、
障害学生支援室、学生支援センター、
教務・学生課などが
窓口になることがあります。

職場であれば、
人事・労務担当者や上司、
産業保健スタッフなどに
相談する方法があります。

合理的配慮も、
「本人が最初から完璧な希望を伝えられること」
が前提ではありません。


たとえば、

「オンライン授業でカメラをつけることが負担です」
「口頭での連絡だと理解しにくいです」
「人の多い場所では集中できません」


という困りごとを伝え、
そこから具体的な方法を
一緒に考えていくことができます。


「これはわがままではないだろうか」
と悩む方もいます。

しかし、合理的配慮は特別扱いを
してもらうためのものではなく、
本人が学んだり働いたりする上での
障壁を減らし、本来の力を
発揮しやすくするための仕組みです。


おすすめなのが、
「困りごとメモ」を作っておくことです。

「どんな場面で困るか」
「何をすると疲れるか」
「何があると少し楽になるか」


をスマートフォンなどに
簡単に書いておきます。


相談するときに、
それをそのまま見せても構いません。

また、本人が相談すること自体に
大きなハードルがある場合、
家族が最初の問い合わせをすることも
一つの方法です。


「本人が相談すること自体が難しいです」
という情報も、支援する側にとっては
大切な情報です。


助けを求めることは、本人の努力だけで
解決する問題ではありません。

「困ったら相談できる場所がある」
「何を相談していいか分からなくても相談していい」


そう思える環境をつくることも、
支援の一部です。


「どうしてほしいか」まで
決められなくても大丈夫。


まずは、「困っています」の一言から
始めてみてください。

この記事の著者

森 しほ

ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。
産業医として一般企業のケアも行っている。

◆専門分野: 精神医療 / 皮膚科
◆資格:日本抗加齢医学会専門医 / 産業医 / 公認心理師
◆所属学会:日本皮膚科学会 / 日本抗加齢医学会
◆著書:『発達障害ママの子育てハック(監修) 』飛鳥新社

 

  取材実績(一部抜粋)

【雑誌】マガジンハウス「Tarzan」
【雑誌】株式会社プレジデント社「PRESIDENT WOMAN」
【TV】フジテレビ『バイキング』
【TV】TBS『ビビット』
【YouTube】『ぶーちゃんねる-歌舞伎町リアル-』( 【病院】歩き辛いくらいアトピーがひどいので皮膚科に行ってきました。 )
【YouTube】『かずのすけ』( 敏感肌でもできる【痛くない医療脱毛】はあるの?お肌に優しい脱毛を受け続けたら5年前より若返った30歳男子の『顔脱毛』体験レポ )
【Web記事】LITALICO発達ナビ
【Web記事】LITALICO仕事ナビ
【Web記事】Medicalook

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