頑張りすぎるほど部下が遠ざかる?心理学でわかる、信頼関係を深める5つのコツ

こんにちはゆうメンタルクリニック 森しほです!
医師・産業医・公認心理師として、
企業の管理職や人事の方から
ご相談を受けていると、
「部下のためを思って細かく声をかけているのに、なぜか避けられてしまう」
「何でも相談してほしいと伝えているのに、本音を話してもらえない」
「自分なりに面倒を見ているのに、関係が深まらない」
というお悩みをよく伺います。
部下との関係を良くしようとして、
一生懸命に働きかけている上司ほど、
うまくいかないと
「もっと声をかけなければ」
「もっと丁寧に指導しなければ」
と頑張ってしまいがちです。
でも、人間関係は、
関わった時間やアドバイスの量だけで
深まるものではありません。
部下との信頼関係に必要なのは、
上司がすべてを教えることではなく、
部下が安心して考え、話し、
失敗できる余白をつくることです。
今回は、部下や後輩との関係を
無理なく深めるための
5つのコツをご紹介します。
目次
1.一度にすべてを伝えず、部下が考える余白を残す
部下の仕事ぶりを見ていると、
「ここも直した方がいい」
「この先は、こう進めた方がいい」
「以前の失敗も伝えておかなければ」
と、たくさん教えたくなることが
ありますよね。
ただ、一度の面談やフィードバックで、
改善点をすべて伝えてしまうと、
部下はどこから手をつければよいのか
分からなくなります。
例えば、提出された資料に
修正点が10個あったとします。
その場ですべてを指摘するのではなく、
「まずは、結論が最初に分かる構成に直してみましょう。そこが整ったら、次に数字の見せ方を一緒に確認しましょう」
と、優先順位をつけて伝えます。
心理学には、途中になっていることや、
まだ完了していないことが意識に残りやすい
という「ツァイガルニク効果」があります。
とはいえ、部下の気を引くために、
わざと説明を途中で切る必要はありません。
マネジメントで大切なのは、
部下が次に何を考えればよいか
が分かる余白を残すことです。
上司が最初から最後まで
答えを与えてしまうと、
部下は指示を待つようになります。
「今日は、まずここまで」
「次回は、やってみて困ったところを聞かせてください」
と区切ることで、
部下自身が考える時間をつくれます。
2.教える前に、部下に話してもらう
面談や1on1で、
上司が話している時間の方が
長くなっていないでしょうか。
部下が
「最近、仕事がうまく進まなくて……」
と話したときに、
「それは段取りが悪いからだよ」
「私が若い頃は、こうしていた」
「まず優先順位を決めないと」
と、すぐに説明を始めてしまう。
もちろん、上司として
助言することは大切です。
ただ、部下が困っている理由は、
上司が最初に想像したものとは
違うかもしれません。
そんなときは、
まず答えやすい質問をしてみましょう。

「どの部分で一番止まっていますか?」
「自分では、何が原因だと思いますか?」
「私に手伝ってほしいことはありますか?」
「今はアドバイスが欲しいですか。それとも、まず話を整理したいですか?」
聞き上手な上司とは、
何も言わない上司ではありません。
部下が自分の考えを言葉にできるように、
質問を置ける上司です。
例えば、ミスが続いている部下に、
「どうして何度も同じミスをするの?」
と聞くと、責められているように
感じやすくなります。
一方で、
「どの段階で確認が抜けやすくなっていますか?」
「仕組みで防げそうなところはありますか?」
と聞くと、本人の性格ではなく、
仕事の進め方に目を向けやすくなります。
3.報告や回答を急かしすぎない
管理職になると、
限られた時間の中で
判断しなければならないため、
部下にも早い返答を求めがちです。
「さっきの件、まだ?」
「どうするのか、今すぐ決めて」
「既読なのに、どうして返事がないの?」
急ぎの仕事であれば、
期限を明確に伝える必要があります。
ただ、何でも即答を求めていると、
部下は「よく考えて答える」よりも、
「怒られないために早く返す」ことを
優先するようになります。
人は、自分の自由を奪われたように
感じると、反発したり、
心理的に距離を取りたくなったり
することがあります。
これを「心理的リアクタンス」といいます。
例えば、企画案を見た直後に、
「どうしてこの案にしたの?」
「別案はないの?」
「今ここで説明して」
と詰めるより、
「明日の午前中までに、狙いと別案を整理してもらえますか」
と伝えた方が、
部下も落ち着いて考えられます。
大切なのは、急かさないことではなく、
本当に急ぎなのか、考える時間を
取れるのかを区別することです。
「今日の17時までに必要です」
「急ぎではないので、次の1on1までに考えてみてください」
このように期限を具体的にすると、
部下は余計な不安を抱えにくくなります。
4.「ありがとう」を、具体的に伝える
部下が仕事をするのは当然。
管理職になると、
ついそう考えてしまうことがあります。
しかし、上司からの肯定的な
フィードバックがまったくない職場では、
部下は、
「これで合っているのか分からない」
「自分の仕事は見てもらえていない」
「注意されないように働けばいい」
と感じやすくなります。
「ありがとう」
「助かりました」
という言葉は、シンプルですが、
人間関係を育てる大切な
フィードバックです。
さらに、
「急な依頼だったのに、数字まで確認してくれて助かりました」
「会議で新人の意見を拾ってくれたのが、とてもよかったです」
「先方への説明が丁寧だったので、安心して任せられました」
と具体的に伝えると、
部下は「どの行動が評価されたのか」
を理解できます。

評価面談だけで褒める必要はありません。
日々の小さな行動を、
その場で短く伝える方が、
部下の安心感につながります。
ただし、褒めれば何でも
解決するわけではありません。
「すごいね」だけを繰り返すよりも、
「何がよかったのか」
「どんな影響があったのか」
を具体的に伝えることが大切です。
5.完璧な上司を演じすぎない
部下の前では、迷ってはいけない。
何でも知っていなければならない。
弱音を見せてはいけない。
そう思っている管理職の方は
少なくありません。
もちろん、部下に不安を丸投げしたり、
判断を放棄したりするのは
望ましくありません。
ただ、完璧な上司を演じすぎると、
部下は、
「この人には失敗を見せられない」
「分からないと言ったら、能力が低いと思われる」
「困っていても相談しにくい」
と感じることがあります。
例えば、
「私も最初に管理職になった頃は、部下への伝え方で何度も失敗しました」
「この判断は私も迷っています。だからこそ、皆さんの意見も聞かせてください」
「さっきの伝え方は強すぎました。すみません」
と、必要な範囲で率直に話すことは、
信頼を下げるどころか、
相談しやすい空気に
つながることがあります。
上司が自分のミスを認められる職場では、
部下も早めにミスを報告しやすくなります。
反対に、
上司が絶対に間違いを認めない職場では、
問題が小さいうちに共有されず、
後から大きくなることがあります。
完璧さよりも、誠実さ。
それが、部下との信頼関係には大切です。
まとめ|良いマネジメントには「余白」があります
部下との関係を良くしたいとき、
上司はつい、
「もっと教えなければ」
「もっと声をかけなければ」
「もっと細かく管理しなければ」
と考えます。
でも、部下との信頼関係に必要なのは、
上司の頑張りの量だけではありません。
- 一度にすべてを伝えない
- 教える前に部下の話を聞く
- 即答を求めすぎない
- 感謝や評価を具体的に伝える
- 完璧な上司を演じすぎない
良い上司とは、
何でも解決してくれる人ではありません。
困ったときに相談できて、
意見を言っても大丈夫で、
失敗したときには一緒に立て直せる人です。
部下がなかなか本音を
話してくれないときは、
さらに質問を増やすより、
少し待つことが必要かもしれません。
「何かあれば言って」ではなく、
「今すぐ話せなくても大丈夫です。
話したくなったときに聞かせてください」
と伝えることも、立派なマネジメントです。
取材実績(一部抜粋)
【雑誌】マガジンハウス「Tarzan」
【雑誌】株式会社プレジデント社「PRESIDENT WOMAN」
【TV】フジテレビ『バイキング』
【TV】TBS『ビビット』
【YouTube】『ぶーちゃんねる-歌舞伎町リアル-』(
【病院】歩き辛いくらいアトピーがひどいので皮膚科に行ってきました。
)
【YouTube】『かずのすけ』(
敏感肌でもできる【痛くない医療脱毛】はあるの?お肌に優しい脱毛を受け続けたら5年前より若返った30歳男子の『顔脱毛』体験レポ
)
【Web記事】LITALICO発達ナビ
【Web記事】LITALICO仕事ナビ
【Web記事】Medicalook
他多数
森しほへの取材依頼はこちら




