狩りの本能とドパガキの関係。~新橋心療内科コラム

「たかが画面を見るだけで、なんでそんなに抵抗できなくなるの?」と思うかもしれません。
心理学や脳科学の世界では、パチンコやスマホアプリなど
人を中毒にさせる仕掛けの裏に『変動強化スケジュール』という強力な心理メカニズムが存在することが分かっています。
行動心理学者のB.F.スキナーが行った有名な実験があります。
レバーを押すと「毎回必ず」エサが出る箱に入れたネズミよりも、
「押してもエサが出たり出なかったり、ランダムで運が良いと美味しいエサが出る」箱に入れたネズミの方が
異常な執着を見せ、狂ったようにレバーを押し続けることが判明したのです。
スマホのスクロールは、まさにこれとまったく同じ構造をしています。
画面をスクロールしても、9割はどうでもいい情報です。
しかし、たまに1割くらい「めちゃくちゃ面白い動画」や「刺激的なニュース」がヒットする。
この「次は当たるかも!」「新しい獲物がいるかも!」という予感が生じた瞬間
脳の報酬系から快楽物質であるドーパミンがドバドバと大量分泌されます。
じゃあ、この「現代の狩り場」の罠から抜け出すにはどうすればいいのか?
「画面を見ながら『やめようかな』と考えないこと」です。
スマホを握ったまま「意志の力」で画面を閉じようとするのは、
目の前に大好物のご馳走を置かれたまま「食べないぞ」と我慢するようなもの。脳の仕様上、絶対に負けます。
それよりなにより必要なのは、物理的にスマホから「逃げる」こと。
現代において自分のメンタルと時間を守る最強のスキルは、意志の強さではなく「逃げ足の速さ」というわけです。
今回もここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)



