他人に期待をするな、という話。~新橋心療内科コラム

人間関係で疲れてしまう原因のひとつに、

「相手はこうしてくれるはず」

という期待があります。

これだけ親切にしたんだから、相手も親切にしてくれるはず。
自分が困っているんだから、きっと気づいてくれるはず。
自分ならこうするんだから、相手も同じようにしてくれるはず。

でも、当然ながら他人は自分と同じようには動いてくれません。

そして厄介なのは、相手が何か悪いことをしたわけではなくても、

「期待していたことをしてくれなかった」

というだけで、私たちは勝手に傷ついてしまうことがあるということです。

「普通だったら連絡するでしょ」
「これくらい察してくれてもいいのに」
「私だったらそんなことしない」

そんな気持ちが出てきたら、一度だけ考えてみてください。

その「普通」は、あくまで自分の中の普通です。

たとえば、自分はLINEをすぐに返すタイプでも、相手は「急ぎじゃなければ明日でいい」と考えているかもしれません。
落ち込んでいる人に声をかけるのが優しさだと思う人もいれば、「そっとしておくほうがいい」と考える人もいます。

人によって「当たり前」は違うのです。

だから、

「こうしてくれたら嬉しい」

と思うのはいい。

でも、それが

「こうしてくれるべきだ」

に変わってしまうと、相手の行動によって自分の気持ちまで振り回されるようになります。

だったら最初から、
「やってくれたらラッキー」くらいに考えてみる。

連絡が来たら嬉しい。

助けてもらえたらありがたい。

気づいてもらえたらラッキー。

期待値を少しだけ下げておけば、してもらえなかったときの落胆は小さくなります。

そして何かしてもらえたときには、今まで以上に「ありがとう」と思えるようになります。

他人は、自分の人生の脚本通りには動いてくれません。

そして自分だって、誰かの期待通りに生きる必要はありません。

「あなたはあなた。私は私」

そう考えて、他人への期待を少しだけ手放してみる。

冷たく聞こえるかもしれませんが、そのくらいの距離感のほうが、かえって人に優しくなれることもあるのかもしれません。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)