未来においても繰り返される話。~新橋心療内科コラム

「なんで年を取ると、若い世代に通じない昔のカルチャーを引きずってしまうんだろう?」

そう思う方もいるかもしれませんが、これには心理学的な明確な理由があります。

心理学では、人間が10代後半から20代前半の青年期に好んで触れた音楽やポップカルチャー、体験した出来事に対して、生涯にわたって強烈な愛着やノスタルジーを感じ続ける現象を『レミニセンス・バンプ(思い出のコブ)』と呼びます。

脳の発達過程において、この10代後半から20代前半という時期は感情が最も揺れ動き、アイデンティティが形成される重要な時期です。
そのため、この頃に夢中になった映画、アイドル、ゲームというのは脳の奥深くに「人生で最も輝かしい原体験」として刻み込まれるのです。

そして、私たちはついつい、「自分の時代のポップカルチャー」と「今の時代のポップカルチャー」を比較して、分かち合えないことに寂しさを感じたりしますよね。

しかし、心理学的な視点で見れば、ジェネレーションギャップとは単なる「知識のズレ」ではなく、それぞれの世代が「自分の青春を全力で愛した証」そのものです。

なので未来の子供に「VTuberの〇〇に似てる!」と言ってポカーンとされたら、ニヤリと笑ってこう心の中で呟きましょう。

「よし、これで自分も立派なおじいちゃん(おばあちゃん)になれたな」と。

自分が愛したカルチャーを胸に年を重ねていけるなんて、実に素晴らしい人生だと思いませんか?

そんなこんなで、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)