「夏休み疲れ?休んだのに、もう疲れてる…『9月病』を防ぐために8月末からやること」

こんにちは、ゆうメンタルクリニック 医師の森しほです!

「お盆休みが終わったら、なんだか仕事に行きたくない」

「夏休み、子どもと毎日出かけていたら、親のほうが疲れてしまった」

「夜更かしが続いて、朝起きられなくなった」

そんな方はいませんか?

実は、9月になってから体調を崩さないためには、8月の終わりの過ごし方が大切です。

いわゆる「9月病」という言葉があります。

これは医学的な正式病名ではありませんが、夏休みやお盆休みが終わり、仕事や学校が再開する時期に、

朝起きられない
眠れない
だるい
やる気が出ない
イライラする
集中できない
仕事に行くのがつらい

といった心身の不調を感じる人は少なくありません。

では、なぜ「休んだはずなのに疲れている」のでしょうか。

夏休みは「休み」なのに、生活リズムが乱れやすい

夏休みやお盆休みは、普段と生活が変わります。

就寝時間が遅くなったり、朝ゆっくり起きたり、外食が増えたり、旅行に出かけたり。

お子さんがいる家庭では、さらに大変です。

子どもは夏休みでも、親の仕事は休みとは限りません。

仕事をしながら子どもの昼食を用意したり、学童や習い事の予定を調整したり、休日には子どもと出かけたり。

「子どもの夏休み」なのに、親の負担はむしろ増えていることもあります。

実際、子どもを対象とした研究では、夏休み中は学校がある時期と比べて、睡眠時間や身体活動が変化し、スクリーンタイムが増えるなど、生活パターンが大きく変わることが報告されています。(PubMed)

また、青年を対象にした研究では、学校の休暇に入ると就寝・起床時刻が遅くなり、睡眠のタイミングや質にも変化がみられました。(PubMed)

つまり、

「夏休みだから、少しくらい生活リズムが変わっても大丈夫」

と思っていたものが、学校や仕事の再開時に一気に負担になることがあります。

だから「9月病対策」は、9月になってからでは遅い

おすすめしたいのは、8月末から少しずつ「普段の生活」に戻していくことです。

いきなり、

「明日から毎朝6時に起きよう!」

とする必要はありません。

むしろ数日前から、

起きる時間を少しずつ戻す。

これだけでも十分です。

特に子どもは、夏休み中に夜更かしが続いている場合、学校が始まる前に少しずつ就寝・起床時刻を戻しておきましょう。

睡眠は、子どもの心身の状態とも深く関係しています。学校への移行期に睡眠問題が続いている子どもでは、健康関連QOLや行動、学習などの状態が悪いことが報告されています。(PubMed)

「朝」を整えると、体内時計も整いやすい

生活リズムを戻すとき、私がおすすめするのは「寝る時間」だけを気にすることではありません。

まず朝を整えること。

起きる時間をできるだけ一定にする。

朝起きたらカーテンを開けて、光を浴びる。

そして朝食をとる。

朝食をとることは、単なる栄養補給だけではありません。

これまでにも、朝食を抜くことでその後の血糖値の反応が変化することや、食事の時間が体温の日内リズムに影響する可能性が研究されています。

つまり、食事もまた、体に「今は活動する時間ですよ」と知らせる生活リズムの一部なのです。

夏の疲れは「暑さ」だけではない

夏の疲れというと、

「暑いから疲れた」

と思いがちです。

もちろん、暑さそのものは身体への負担になります。

でも、それだけではありません。

睡眠不足。

食事時間の乱れ。

冷房の効いた室内と暑い屋外の行き来。

旅行や帰省。

長時間の移動。

子どもの予定に合わせた生活。

仕事と家庭の両立。

こうした小さな負荷が積み重なることで、8月末には思っている以上に疲労がたまっていることがあります。

自律神経が乱れるため、気温の変化に身体がついていけなくなることもあります。

そして、そこに「休み明けの仕事」が乗ってくる。

これが、いわゆる9月病につながる一因になります。

会社員の方は「休み明け初日に頑張りすぎない」

もう一つ大切なのが、

休み明けに一気に取り戻そうとしないこと。

です。

「休んだんだから、今日から頑張らなきゃ」

と思って、朝から大量のメールを処理し、会議を詰め込み、残業までしてしまう。

これはおすすめできません。

休暇明けは、仕事のパフォーマンスだけでなく、仕事モードへの心理的な切り替えにも時間がかかります。

産業医として職場の相談を受けていると、

「仕事が嫌いなわけではないのに、休み明けだけ異常にしんどい」

という相談があります。

こういうとき、必ずしも「仕事が合っていない」とは限りません。

生活リズムの変化や睡眠不足、疲労の蓄積などが重なって、一時的に負荷が高くなっていることもあります。

では、8月末に何をすればいい?

難しいことをする必要はありません。

① 起床時間を戻す

まずは朝起きる時間を、仕事や学校がある日の時間に近づけます。

② 朝に光を浴びる

起きたらカーテンを開けて、できれば外の光を浴びましょう。

③ 朝食をとる

食欲がなければ、無理に大量に食べる必要はありません。

ただ、飲み物だけで済ませず、少しでも食べる習慣を戻していきましょう。

④ 夜更かしを少しずつ減らす

「今日から絶対22時に寝る」ではなく、30分ずつ早めるくらいでも構いません。

⑤ 予定を詰め込みすぎない

夏休み最後の週末に、家族サービスを詰め込みすぎて、月曜日に家族全員がぐったり……ということもあります。

最後の休日は、あえて「何もしない時間」を作ってください。

「休んだのに疲れている」は、サボりではありません

夏休みやお盆休みが終わると、

「十分休んだんだから、疲れているなんておかしい」

と思ってしまう人もいます。

でも、人間の心身は、カレンダー通りに回復するわけではありません。

旅行から帰ってきた翌日に疲れている。

子どもの夏休みが終わる頃に親がぐったりしている。

長い休みのあとに仕事モードへ戻れない。

これは、決して「怠けている」ということではありません。

むしろ、生活リズムや環境の変化に体と心が適応している途中なのかもしれません。

だからこそ、9月になってから無理をするのではなく、8月の終わりから少しずつ「普段」に戻していく。

それが、夏の疲れを秋まで持ち越さないためのポイントです。

そして、9月になっても眠れない、食欲がない、気分が落ち込む、仕事に行けないほどつらい、といった状態が続く場合には、「9月病だから」と自己判断せず、医療機関への相談も検討してください。

9月を元気に迎える準備は、8月の終わりから。

今年の夏の疲れ、9月まで持ち越さないようにしましょう。

この記事の著者

森 しほ

ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。
産業医として一般企業のケアも行っている。

◆専門分野: 精神医療 / 皮膚科
◆資格:日本抗加齢医学会専門医 / 産業医 / 公認心理師
◆所属学会:日本皮膚科学会 / 日本抗加齢医学会
◆著書:『発達障害ママの子育てハック(監修) 』飛鳥新社

 

  取材実績(一部抜粋)

【雑誌】マガジンハウス「Tarzan」
【雑誌】株式会社プレジデント社「PRESIDENT WOMAN」
【TV】フジテレビ『バイキング』
【TV】TBS『ビビット』
【YouTube】『ぶーちゃんねる-歌舞伎町リアル-』( 【病院】歩き辛いくらいアトピーがひどいので皮膚科に行ってきました。 )
【YouTube】『かずのすけ』( 敏感肌でもできる【痛くない医療脱毛】はあるの?お肌に優しい脱毛を受け続けたら5年前より若返った30歳男子の『顔脱毛』体験レポ )
【Web記事】LITALICO発達ナビ
【Web記事】LITALICO仕事ナビ
【Web記事】Medicalook

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