パンを食べる女子高生~新橋心療内科コラム

パンを食べながら「チコクチコクー!」と走る女子が、男子とぶつかる。
そして「気をつけなさいよ!」「お前こそ!」みたいにケンカする。
そのまま学校に行くと、「お前はあのときの!」「アンタはあのときの!」みたいに再開し、そこから最終的には恋が生まれる。
マンガにおける古典みたいな位置づけの展開です。
じゃあ具体的にどのマンガにそのシーンがあるのか、というのは謎ですが、とにかくお約束な展開というのは事実です。

実際に心理学的には、「誰かとぶつかる」という最悪の出会い⇒そこから少しずつ好きになる、というのは、まぁ、ありえる展開ではあります。
心理学ではゲイン・ロス効果というものがありますが、人間は「落差」によって相手への印象を深めていきます。

最初の段階でネガティブな印象だったものが、そのあとに少しずつ「良い方向」に変わっていくことで、その落差にたいして反応して、どんどん「好き」になっていく、というわけですね。

特に人間「印象がまったくない」と相手への気持ちも何ら変わっていきませんが、最初に強い印象を残すことによって、良くも悪くも相手のことが気になってしまい、その後の行動に注目が深まっていき、結果的に相手の存在感が高まっていく………ということもありえます。

そういう意味では、決して間違った展開ではない、ということになります。

問題は、これが理にかなっていても、それを現実で実現化するのはとても難しい、ということです。
意図的にやろうとすると、今流行りの(か知りませんけども)「ぶつかりおじさん・ぶつかりおばさん」になってしまいます。気をつけましょう。

(完)